──九十九里の潮騒、万祝(まいわい)の色が踊る。
笑いと嫉妬と、少しの涙。
昭和の温度で煮込んだ“漁村ロマン”が、今夜も湯気を立てる。
🎞 映画DATA
- 公開年:1974年12月7日
- 監督:白井伸明
- 原作:今野恭平
- 主演:星まり子/山科ゆり/薊千露/森みどり/結城ともえ/吉井亜樹子/深町真樹子/橘田良江/渋谷健三/島村謙次
- 上映時間:69分
- シリーズ:──
- メーカー:にっかつロマンポルノ
- ジャンル:成人映画/ハイビジョン
- 配信品番:141nkt00694
- 黒猫品番:182
- 平均評価:—
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※本レビューは成人向けフィクションを文化的・文学的視点から解説しています。
🐾 黒猫レビュー
【1】万祝の色気、潮騒のリズム。
舞台は九十九里。祖父を介護しつつ鯛釣りに励む若者・甚太郎を中心に、芸者でも娼婦でもない“素の女”たちの欲と情がうねる。白井伸明監督は、港町の笑いと官能を土の温度で描き、ロマンポルノを大衆喜劇の器にそっと注ぎ込む。
【2】女たちは踊り、男たちは嫉妬する。
網元の娘シズイ、SEXフレンドのオソメ、町から来たマキとミホ──“女の舞台”が増えるほど、男たちは滑稽さを増す。欲望は競い合い、村はざわめき、やがて嫉妬という名の波が押し寄せる。ここにあるのは背徳ではなく、生の濁流だ。
【3】ベタと詩情、その間(はざま)のユーモア。
詐欺師の介入、クジラの“ご神体”、祝宴のどんちゃん──設定はベタだが、白井の演出はどこか詩的だ。港の夕景、濡れた万祝、浜風にほどける髪。下世話と叙情が同じ器で煮込まれる時、スクリーンに“昭和の匂い”が立ちのぼる。
【4】“可笑しみ”が救いになる映画。
人は騙し、奪い、泣き、笑う。けれど最後に残るのは、誰かを赦すための可笑しみだ。白井伸明の温度は低く、やさしい。万祝の赤と海の群青の間に、ゆっくりと官能の湯気が満ちていく──それがこの作品の余韻である。
黒猫のまねき「万祝の赤は、女の決意の色。」
🎬 視聴案内
※配信状況は掲載時点。最新情報はリンク先でご確認ください。
エロスとは、海風に混じる塩と汗の匂いである。
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