【日活ロマンポルノ】団地妻 しのび逢い(1972)|主演:白川和子

──陽の当たる団地の一室で、女は静かに堕ちていく。
貧しさと欲望のはざまで、愛を見失った人妻の記録。
ロマンポルノの真骨頂、「団地妻」シリーズ第2章。

🎞 映画DATA

  • 公開年:1972年4月29日
  • 監督:西村昭五郎
  • 主演:白川和子/相川圭子/岡エリ子/葵三津子/原田千枝子
  • 上映時間:71分
  • シリーズ:団地妻
  • メーカー:にっかつロマンポルノ
  • ジャンル:人妻・主婦/不倫/成人映画
  • 配信品番:141nkt109
  • 黒猫品番:030
  • 平均評価:★★★★☆(4.0)

🐾 黒猫レビュー

【1】ロマンポルノの原点、「団地」という檻。

西村昭五郎と白川和子──この黄金コンビが再び描く“団地の性愛譚”。 高度経済成長の象徴であった団地は、同時に「閉じられた欲望の箱」でもあった。 昼下がりの静けさ、カーテン越しの陽光、妻たちのさざめき──その裏には、孤独と背徳の匂いが満ちている。

【2】白川和子、人妻の「罪」を演じる天才。

白川和子の魅力は、“犯されることの必然性”を感じさせることだ。 彼女が演じる伸子は、決して淫らな女ではない。 夫のために、家庭のために、ひたむきで真面目な女が── 社会の歯車に挟まれ、男たちの視線に蝕まれ、やがて自ら快楽に身を委ねていく。 その過程のリアリティこそが、観る者の心を掴んで離さない。

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【3】“社会派ポルノ”としての完成度。

『団地妻 しのび逢い』は、単なる官能映画ではない。 夫の失業、経済不安、女性の労働──70年代初頭の日本社会をそのまま映し出す“生活ポルノ”である。 ロマンポルノがただのエロスではなく、「時代の記録」であったことを思い出させてくれる一本だ。

【4】快楽の果てに見える、夫婦の虚構。

修一の再就職のために身体を差し出す妻── それを偶然知ってしまう夫── 70年代の倫理観の中で、性愛と愛情の境界線が曖昧になる。 「しのび逢い」は不倫ではなく、生きるための逃避。 そこに漂う湿った哀しみこそ、西村ロマンの真髄である。


黒猫のまねき

「愛しているから堕ちた。──それが一番、残酷な真実。」

ロマンポルノは、生活の影に潜む“女の孤独”を映し出す鏡である。

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黒猫のまねき

「また夜が来たら、ここで逢いましょう。」


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