【日活ロマンポルノ】団地妻 忘れ得ぬ夜(1972)|主演:宮下順子

──団地の夜、風に揺れるカーテンの向こうで、ひとりの妻が堕ちてゆく。
それは罪ではなく、孤独の果てに見つけた“もう一つのぬくもり”。
ロマンポルノが描く、団地という密室の愛と裏切り。

🎞 映画DATA

  • 公開年:1972年7月8日
  • 監督:遠藤三郎
  • 主演:宮下順子/桜マミ/甲斐康二/森竜二/弾力也/浜口竜哉
  • 上映時間:67分
  • シリーズ:団地妻
  • メーカー:にっかつロマンポルノ
  • ジャンル:人妻・主婦/成人映画/ハイビジョン
  • 配信品番:141nkt00417
  • 黒猫品番:042
  • 平均評価:★★★★☆(4.0)

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※本レビューは成人向けフィクションを文化的・文学的視点から解説しています。

🐾 黒猫レビュー

【1】“団地妻”という神話は、孤独から始まった。

『団地妻 忘れ得ぬ夜』は、シリーズ中でも最も静かで、最も悲しい一篇だ。 遠藤三郎監督が描くのは、団地という集合住宅の中に潜む、愛と孤独の連鎖反応である。 しまさより演じる律子は、仕事も家庭も手放さない“理想の現代妻”。だが、夜の団地に響く足音は、彼女の理性を少しずつ崩していく。

【2】一夜の過ちが、女を変える。

社員旅行での宴会、意識を失った律子の体に忍び寄る影──。 目覚めたとき、彼女は“何が起きたのか”を知らない。 翌朝、会社の男たちを見つめるその眼差しには、恐怖と好奇心が混ざった微かな震えが宿る。 やがて犯人が判明し、拒絶と快楽が入り交じる不倫へと変わっていく。 遠藤監督はこの“心の変化”を、セリフではなく沈黙と光で描いている。

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【3】夫と弟、そして妻──壊れていく家族の輪。

物語後半、律子は夫の弟・力也によって再び犯される。 この構図は、単なる寝取られではなく、家族という制度そのものの崩壊を象徴している。 男たちは欲望の果てに無力化し、女だけが“生”を選ぶ。 その選択が快楽であれ逃避であれ、団地という狭い社会の中では、すべてが許されない。

【4】“団地”という小宇宙が映した昭和の女たち。

ラスト、律子は家を出て、自由と孤独の両方を抱きしめる。 その姿は“堕落”ではなく、“覚醒”だ。 団地妻シリーズの本質はここにある──それは、女が自らの身体を通じて世界を確かめるということ。 遠藤三郎の演出は地味だが、その静けさこそがリアルな昭和の官能を作り出している。


黒猫のまねき

「妻が堕ちたのではない。団地という檻が、女を解き放ったのだ。」

🎬 視聴案内
※配信状況は掲載時点。最新情報はリンク先でご確認ください。

エロスとは、日常の隙間に忍び込む孤独の別名である。

黒猫深夜映画館

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黒猫のまねき

「また夜が来たら、ここで逢いましょう。」

【日活ロマンポルノ】団地妻 忘れ得ぬ夜(1972)|主演:宮下順子

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