【日活ロマンポルノ】鎌倉夫人 童貞倶楽部(1975)|主演:宮下順子

──古都・鎌倉に流れる風は、静かで淫ら。
僧侶と人妻、そして少年の視線が交わるとき、
林功が描く“源氏物語”の現代版が幕を開ける。

🎞 映画DATA

  • 公開年:1975年9月20日
  • 監督:林功
  • 主演:宮下順子/吉井亜樹子/南ゆき/谷口えり子/浜口竜哉/小松方正/村国守平/信太且久/影山英俊
  • 上映時間:69分
  • メーカー:にっかつロマンポルノ
  • ジャンル:ドラマ/人妻・主婦/童貞/成人映画
  • 配信品番:141nkt00657
  • 黒猫品番:215
  • 平均評価:★★★★☆

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※本レビューは成人向けフィクションを文化的・文学的視点から解説しています。

🐾 黒猫レビュー

【1】鎌倉の風に漂う背徳の香り。

うっそうとした杉木立と潮風。 『鎌倉夫人 童貞倶楽部』は、林功監督が古都の静謐さを背景に、 人妻の快楽と少年僧の目覚めを詩的に描いた異色の背徳劇である。 聡子(宮下順子)は、夫の不在を埋めるように、和尚や若い修行僧との交わりに身を委ねていく。 だがその行為は単なる官能ではなく、 “孤独の中に芽生える情念”そのものだった。

【2】宮下順子──鎌倉の女神、あるいは罪の化身。

宮下順子の演技は本作でも圧巻。 抑えた台詞まわしと、ゆるやかな身のこなしの中に、 成熟した女の官能と哀しみを同居させる。 日興和尚を演じる小松方正との緊張感あるやり取り、 修行僧・吉法を見つめるまなざしの柔らかさ── そのすべてが、聡子という女の「静かに壊れていく時間」を語っている。

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【3】“源氏物語”の現代転生。

林功監督は、平安文学のモチーフをロマンポルノの文法で翻案した。 和尚=光源氏、聡子=六条御息所、吉法=夕霧。 愛と罪、悟りと煩悩の狭間で揺れる人間模様を、 鎌倉という古都の空気がすべて包み込む。 どのカットにも湿度があり、音もなく“エロスの陰影”が息づいている。

【4】エロスは風に、祈りは海に。

本作のラスト、夫が帰還する瞬間の静寂は圧倒的だ。 聡子の表情には後悔も恍惚もなく、ただ「受け入れ」がある。 それは仏教的な悟りでもあり、女としての完全な敗北でもある。 快楽と宗教、罪と赦し──そのすべてがこの69分の中に凝縮されている。


黒猫のまねき

「快楽に救いはない。だが、そこにだけ真実がある。」

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※配信状況は掲載時点。最新情報はリンク先でご確認ください。

エロスは、祈りの形をしてやってくる。

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黒猫のまねき

「また夜が来たら、ここで逢いましょう。」

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