【日活ロマンポルノ】ラブホテル 只今満室(1984)|主演:中山あずさ

──東京の片隅、白い壁の向こうには幾千の秘密がある。
愛、欲、孤独、そして滑稽。
渡辺護が描く“昭和のラブホテル交響曲”。

🎞 映画DATA

  • 公開年:1984年11月23日
  • 監督:渡辺護
  • 脚本:望月六郎
  • 原作:岩瀬ちよ子
  • 主演:中山あずさ/織本かほる/飯島大介/瀬川亜紗美
  • 上映時間:65分
  • メーカー:にっかつロマンポルノ
  • ジャンル:成人映画/ヒューマンドラマ/オムニバスロマン
  • 配信品番:141nkt00672
  • 黒猫品番:613
  • 平均評価:★★★☆☆(3.0)

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※本レビューは成人向けフィクションを文化的・文学的視点から解説しています。

🐾 黒猫レビュー

【1】「ラブホテル」という小宇宙。

昭和末期、足立区入谷の環七沿いに立つ白亜の建物──それが「ホテル・シャルム」。 本作はこの一軒のホテルを舞台に、無数の男女が交錯する“欲望の縮図”を描き出す。 渡辺護監督は、セックスをテーマにしながらも、そこに笑いと哀しみ、そして人間臭さを滲ませた。 ひとつの部屋で交わされる愛は、一夜の夢であり、時に永遠の嘘でもある。

【2】渡辺護という“裏人情作家”。

渡辺護は、ピンク映画の名匠として知られるが、彼の本質は“人情喜劇”にある。 『ラブホテル 只今満室』でも、欲望を描きながら決して人を見下さない。 男の愚かさも女の哀れさも、どこか温かく包み込む。 まるで、ホテルの支配人・ちよ(織本かほる)の眼差しそのもののように。

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【3】笑いと哀しみの狭間で。

この映画の魅力は、エロスではなく「間(ま)」にある。 滑稽な夫婦喧嘩、間抜けな浮気男、泣き笑いの女。 それらを通じて、昭和の“性と情”のリアリティが浮かび上がる。 ロマンポルノ最末期のこの作品は、欲望を超えて、 もはや“庶民劇”の域に達していた。

【4】昭和が消え、ラブホテルが残った。

1984年、ロマンポルノが終焉を迎えるその時代。 渡辺護は“エロスの聖地”ラブホテルを、滅びゆく昭和の象徴として描いた。 ホテルはまだ立っている。だが、そこにいた人々の影はもういない。 ──この映画は、セックス映画の皮をかぶった、静かな鎮魂歌である。


黒猫のまねき

「ラブホテルとは、人間の欲と孤独が交差する交差点である。」

🎬 視聴案内
※配信状況は掲載時点。最新情報はリンク先でご確認ください。

エロスとは、笑いながら泣ける“人間そのもの”の記録である。

黒猫深夜映画館

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「また夜が来たら、ここで逢いましょう。」

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