【日活ロマンポルノ】熟れすぎた乳房 人妻(1973)|主演:宮下順子

──愛は冷めても、体は覚えている。
曽根中生が描いたのは、倦怠と欲望のはざまで揺れる夫婦の真実。
“ロマンポルノの詩人”が放つ、初期エロスの名篇。

🎞 映画DATA

  • 公開年:1973年2月3日
  • 監督:曽根中生
  • 主演:宮下順子/白川和子/相川圭子/山口明美/堺美紀子/東郷ゆかり/長弘/影山英俊/小見山玉樹
  • 上映時間:71分
  • メーカー:にっかつロマンポルノ
  • ジャンル:人妻・主婦/ドラマ/成人映画
  • 配信品番:141nkt00654
  • 黒猫品番:080
  • 平均評価:★★★★★★★★☆☆(4.0)

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※本レビューは成人向けフィクションを文化的・文学的視点から解説しています。

🐾 黒猫レビュー

【1】倦怠の中に潜む“第二の愛”。

『熟れすぎた乳房 人妻』は、ロマンポルノが“生活の中のエロス”を描いていた時代の代表作だ。 曽根中生監督の筆致は、決して過激ではなく、むしろ静かで繊細。 夫婦生活の倦怠を真正面から見つめ、 人が再び愛を取り戻すには、いったん“堕ちる”しかないという皮肉を描く。 この構造の美しさが、曽根作品の真骨頂である。

【2】宮下順子──沈黙する官能。

宮下順子の存在感は、まさに“昭和のエロス”そのものだ。 派手な演技を避け、視線と呼吸だけで情感を表現する。 愛に飢えた人妻・夏子として、彼女は清(青年)と水野(中年)という 二つの異なる男の欲望を受け入れながら、 どこか“自分の中の女”を確かめようとしている。 それは肉欲ではなく、存在証明のような営みだ。

👁 この作品を確認する(FANZA)

【3】曽根中生、欲望を詩に変える演出。

曽根中生は“欲望のアナーキスト”と呼ばれたが、 その内実は極めて詩的で、どこか冷たい。 欲望を描きながらも、そこに倫理と赦しの余白を残す。 室内の光、レース越しの影、 音を排した愛撫のリズム──すべてが映像詩として構成されている。 彼のロマンポルノは、いつもどこかで「愛とは何か」を問いかけてくる。

【4】“愛の再確認”というラストの救済。

倦怠夫婦の終着点は、破滅でも背徳でもなく“再生”である。 互いの裏切りを経て初めて、愛の意味を知るという構造。 その淡い結末が、逆に切なく、観る者を温かく包む。 ロマンポルノを単なるエロスではなく、 人生劇として昇華させた曽根中生の慧眼が光る。


黒猫のまねき

「裏切りの中にこそ、愛の正体がある。」

🎬 視聴案内
※配信状況は掲載時点。最新の視聴可否はリンク先でご確認ください。

エロスとは、生活の中で見失った愛を思い出す儀式である。

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黒猫のまねき

「また夜が来たら、ここで逢いましょう。」

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