──潮の香りとともに、女たちは海に潜り、夜には男を待つ。
昼は海女、夜は女中。身体ひとつで海と男に仕える女の生きざま。
そこには、海より深い“孤独と官能”があった。
🎞 映画DATA
- 公開年:1977年7月23日
- 監督:藤浦敦
- 主演:梓ようこ/中島葵/岡尚美/牧れいか/谷ナオミ/岡本麗/中西良太/井上博一/八代康二/鈴々舎馬風
- 上映時間:69分
- シリーズ:──
- メーカー:にっかつロマンポルノ
- ジャンル:成人映画/ドラマ/ハイビジョン
- 配信品番:141bbxn03066
- 黒猫品番:296
- 平均評価:★★★★☆(4.0)
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※本レビューは成人向けフィクションを文化的・文学的視点から解説しています。
🐾 黒猫レビュー
【1】潮と女と、夜の匂い。
漁村を舞台にしたこの『夜這い海女』は、日活ロマンポルノの中でも異色の“海の官能劇”。
監督・藤浦敦が描くのは、男が海へ出る昼と、女が孤独に沈む夜のコントラストである。
梓ようこが演じる礼子は、昼は潜水、夜は小料理屋で働く健気な海女。夫を想いながらも、体は潮のように満ち引きする──。
【2】“働く女のエロス”というリアリズム。
この作品が他のポルノと一線を画すのは、単なる性的描写ではなく、労働する女のリアリズムに焦点を当てている点だ。
海の仕事、塩の匂い、男を待つ夜──そのすべてが肉体と結びついている。
礼子が一人寝の寂しさに耐えかねて他の男と交わる場面は、裏切りではなく“自然現象”のように淡々と描かれる。
【3】谷ナオミと岡本麗、肉体の競演。
共演陣も豪華だ。谷ナオミの妖艶さ、岡本麗の肉感的な美──
それぞれが異なる女の“孤独の形”を体現している。
この村では、誰もが誰かの寂しさを埋めるために体を寄せ合う。
それを“背徳”ではなく“共生”として描く藤浦敦の視線には、温かさすら漂う。
【4】ロマンポルノの中の“民俗詩”。
『夜這い海女』は、エロス映画でありながら民俗詩の趣を持つ。
波の音、磯の風、裸身に光る海水──それらがひとつの叙情詩となり、観る者を包み込む。
藤浦監督の手腕は、欲望を描きながらも決して下品にならない。
ここには、“日本的エロスの原風景”が静かに息づいている。
黒猫のまねき「女の孤独は、潮とともに満ち、潮とともに引く。」
🎬 視聴案内
※配信状況は掲載時点。最新情報はリンク先でご確認ください。
エロスとは、女が生きるために身につけた海の祈りである。
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